各社の基本的設置概念

• アステル関西

  アステルグループの中でも電柱の頂上にほとんど設置というアステルグループの中でも異色のセル構成である。最近でこそ中国がこれに 習ったが他グループのような電柱半ばでCS設置アンテナ直付け設置方法は関西では全体の１％にも満たない。
  アンテナ地上高が10m以上あるため、電柱を中心として20mWCSであれば半径約200m、100mWCSであれば約300mのほぼ円状のセルを構成できる ため、比較的配置の設計がしやすい。しかしながら、その伝搬特性上、開けた場所の方が距離を稼げるため、特に20mWCSは交差点角などに 設置する事が多い。

  また、14シリーズの300mWCSは鉄道沿線の場合散発的に、大阪市内主要筋には脇道の入ってすぐの必ず通りが見通せる場所に設置される。

• DoCoMo関西

  現DoCoMoグループの中でも特殊な部類に属するであろう。20mWCSは電話BOX型、低NTT柱設置Ｕ型アンテナ、 関電柱・高NTT柱設置ロケット型アンテナの３種に別れるが、100mWCSはNTT柱設置Ｕ型アンテナ・電話BOX型・屋上設置型しか存在しない。 東海のような4エレフォーク型で200mWCSというのは存在しない
  またPHS開業前の実験段階の結果をベースにしてCSを設置している事が多く、関電柱設置型以外は ほとんど道の通りに長くエリアが構成される「ストリートセル」構成に基づいている。その代表例が 京都の西院地区である。
  この構成は100mWCSにも引き継がれており、地方主要道路のセル構成も同様である。 ただし住宅街は景観上低NTT柱が少なく、かつ低NTT柱では地上高が稼げない(約５m)ため面的構成が 要求される場所では関電柱、ないしは高NTT柱にロケット型アンテナを使用しアステル関西と同様な 設置構成を取りエリアを確保している。ただしこの設置方式を取るNTTPの200mWCSは既存の20mWCSの 出力増強版であるため、設計上からすでに２ダイバシティ方式である。また、なぜかは不明で あるが、関電柱設置型４ダイバシティアンテナはNTTPの場合存在しない。

  なお、500mWCSについては関西の場合初期のタイプはトラフィック云々というよりも少し田舎なNTT の別館に設置されることが多い。量産期の場合は駅周辺などあまり関係なく面を埋めるようにして まんべんなく配置される。ただし、既存の100,200mWCS近くにある事もしばしばである。
  64Kエリア地区の500mWCSは自立柱で無い限り4エレタイプがほとんど。道路沿線重視で鉄道沿線にはあまり狙って設置する傾向はみうけられ ない。また、NTTP末期のころに設置された4エレのエレメント長が異なる500mWCS(アダプティブアレイCS?)がごく少数存在する

• DDIP関西

  基本的には500mWと高出力であるためエリア構成は完全に面的である。４ダイバシティと高利得の アンテナ、低雑音・高利得の高周波増幅素子を使用する事によってセルの大きさは約500mとかなり 広い。
  サービス開始当初は完全にビルの屋上の中心に設置している事が多かったが、これだとセルが 広すぎて他キャリアからの干渉が大きくなる事、１CSに対するトラフィックが大きくなって しまう事、またビルの影になるといくら高出力とはいえフェージングにより通話が不安定になる 事から最近では主要交差点の角地のビルや半分ビルからアンテナを出すようにして道沿いにも エリアを確保できるようにしている。さらにトラフィックが局所的に多い場所ではリフレクタ 付き20mWCSを設置する事により回線数を確保している。さらにやむを得ず高所に設置するCSはアンテナ長で調整している。

  ただし地方になると数階建てのアパートなどでは逆にセルを構成する上で地上高が高すぎる。 また設置上DDIP最大の課題である家主や地権者との交渉の問題もあり、そのためわざと自立柱を 用いる事が多い。なおアンテナ地上高はアステルやNTTPの関電柱設置型アンテナとほぼ同じ10m 程度である。

  また、自立柱を建てる場所が確保できない場合、２階建てのアパート、下手をすると住宅にすら 建てることも多く、地上高もかなり低くとっている。

ＣＳ発見方法

• アステル関西

  NTT線の少し上に別の線が張っているが、ここにCSがぶら下がっていることが多い。ここに気を つけていれば大体は発見できる。関西はロケットアンテナという独自のアンテナを使用しているが 避雷線支柱型が存在するためこれを目標にするのはあまりお勧めできない。

  アステルの場合、96年末稼動エリアを境として、設置方法がかなり異なる。 位置的特定としては、20mWCSは駅前に関してはほとんど「固め打ち」(笑)。特に京阪の萱島駅が ひどい。96年末までの設置予定であった地区に関しては20mWCSが多いが、それ以降の地区に 関してはほとんど100mWCSである。
  ただし100mWCSの方が位置的に特定しやすく、住宅地などでは２つCSが見つかると地図から推測して だいたい３つめが300m離れたあたりで容易に特定できる。この繰り返しでCSの空白域を面的に 埋めていけばよい。ただし田舎になると主要道路であれば人家がなくても設置することあり。
  また、主要道路の市町村境に100mWCSが設置されているのも特徴である。

  「お寺とゴルフ場が大好き」

  なぜか地方に行くと著名な寺社の前、ゴルフ場のクラブハウス近くにほとんどの確率でアステルのCSが ある。確かに狙いはしているのだが特にゴルフ場となると辺ぴな場所にあるのでなかなかNTT回線が 来ない(苦笑)

• DoCoMo関西

  「整然としたCS配置(昔は)」

  これぞ「CS設置のお手本」と言わんばかりにきれいにCSが設置されている。代表例が香芝市内のR165 である。

  まず低NTT柱が設置されていればこれをたどっていけばまずＵ型CSにぶつかる。このタイプのCSは 基本的にストリートセルなので100mWCSであれば約400m先に同一CSが発見できると思う。低NTT柱が ない場合は関電柱。特に住宅街はこの傾向が強い。

  また、NTT施設があればほとんどの確率で屋上にCSがある。

  あと落とし気味なのは一般ビルの屋上設置型。これはDoCoMo特有で屋上の壁際を見てみると黒い アンテナが１本ないしは２本上がっていることがある。

• DDIP関西

  実は３社の中でもっとも難しいのがこれ。標準が500mWCSであるため、視界外でもバー３本強烈に入って くることが多く、電測だけは100m以内の追い込みは困難である。とにかくいろいろな場所から見て みないとわからない。特にごく普通の家の屋上に設置されるケースがある以上、発見は困難を極める。

  都心部は主要交差点が見通せるビルの上に設置されることが多い。

  「特定した施設の上にあり」

  DDIPはその設置特性上、地権者の協力が必須である。それが一企業であればその地区の企業の 関連建造物の屋上にほとんどついている、と言っても過言ではない。
  代表例として、神戸では「さくら銀行」、近畿全体では「ＪＡ」、京都・滋賀は「平和堂」がお約束 になっている。

• 全社共通事項

  「60dBを超えると目視できる位置にある」

  私の経験上、アステル以外のCSは連続的に60dBを超えるとほぼ７〜８割方視界に入る所にCSはいます。

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2002/06/22 10:31:52;126800;ty8h-ks;RETR;ok;/freeaddr/kansaiphs/tukanana/cell_out.htm